エアと電動の特徴
まずは、それぞれの特徴についてご紹介します。

エアシリンダ
エアシリンダは軽く安価で力がでるというメリットがあります。そのため、ハンドリングやクランプ、圧入などに向いているアクチュエータです。また、2点間の高速移動や重量物搬送にも向いています。

電動アクチュエータ
電動アクチュエータは細かな制御ができることが最大のメリットです。そのため、位置決めが必要になる搬送工程や、制御が必要な圧入、ハンドリングなどに向いているアクチュエータです。
エアシリンダの特徴
エアシリンダは圧縮空気によってピストンを動かすことで動力を発生させる駆動装置です。シンプルな構造により、小型で軽量という特徴があります。
また、機械的な特徴としては、動作の速さや把持力の強さが挙げられる一方で、細かな制御は得意ではありません。
エアシリンダには様々な種類があり、用途によって最適なものを選定することが大切です。

エアシリンダの強み
- 力が強い:把持力が強く、重たい製品の搬送も容易
- コンパクト:機構がシンプルであるため小型化可能
- 軽量:構造がシンプルであるため軽量
- 制御プログラムが簡単:ON/OFF動作が多く、複雑な制御プログラムは不要
- 高速:空気圧を高めることで、高速搬送が可能
- 低コスト:電動アクチュエータと比較して、比較的コストを抑えることが可能
エアシリンダの弱み
- 動きの制御:細かな制御は不得意
- 多点間の搬送や位置決め:旋回確度が固定のため、機器が増える
エアシリンダが向いているシーン
エアシリンダは力が強いため、変形しにくいワークのハンドリングや、力の制御が不要な圧入工程に向いています。また、多点間の移動や制御には向いていませんが、2点間の搬送や位置決めは低コストで実現可能です。
電動アクチュエータの特徴
電動アクチュエータはモーターの回転力を利用した駆動装置です。回転運動はもちろん直線運動、らせん運動などさまざまな動作を実現できます。
電動アクチュエータの最大の特徴は「動作を細かく制御できる」ことです。動作が複雑になれば、制御システムも複雑になりますが、任意の動作を実現したいときに電動アクチュエータは最適です。
また、通信機のついたモデルではIoT化が可能です。

電動アクチュエータの強み
- 動作の制御:加速のコントロール、位置決めのコントロールがしやすい
- 応用性:プログラムを変更すれば1台で多品種に対応可能
- メンテナンス性:メンテナンス頻度が少なく、メンテナンスも容易
- IoT:通信機能を実装したモデルはIoT化が可能
電動アクチュエータの弱み
- イニシャルコスト:エアシリンダと比較するとイニシャルコストは高い
- 制御プログラムが複雑:エアシリンダと比べて制御プログラムは複雑
- サイズ:エアシリンダと比較して、サイズが大きい
電動アクチュエータが向いているシーン
電動アクチュエータは動作を細かく制御できるため、変形しやすいワークのハンドリングや多点搬送、多点位置決めなどに向いています。また、加速度を変更できるため、圧入工程における力の制御も得意としています。さらに、通信機のついたモデルではIoT化に対応できるなどのメリットもあります。