クリーンガスサポートとは?

圧縮空気は、動力のほかエアブローや搬送など様々な業界の様々な工程で使用されている、製造現場ではなくてはならないものです。近年、食品業界において食品衛生法の改正や国際規格の改訂など、食品の安全に関する対策が議論されています。CKDは、食品を製造する企業ではございませんが、食品製造工程でもフィルタ、レギュレータ、バルブなど様々な機器商品が使用されており、フードサプライチェーンに関係する企業として食の安全のために貢献したいと考えております。この度新しく「クリーンガスサポート」というJISに準拠した方法で圧縮空気の測定をするサポートを始めましたのでご紹介します。食品業界に限らず、エア質にお悩みのお客様にとっても、エアの清浄度を知ることはとても重要です。

食品業界での法律や規格の改正

食品衛生法の改正や国際規格の改訂により、食品の安全に関する対策のため、HACCPの制度化やポジティブ制度の導入が盛り込まれました。
また、ISO22000は食品安全マネジメントシステムに関する国際規格で、「食品の安全を管理するための仕組み」に国際的な基準を設け、共通認識として見える化したものです。
FSSC 22000は、Food Safety System Certification 22000の頭文字の略で、GFSI(国際食品安全イニシアチブ)によって承認されたISO 22000をベースにより強固な食品安全管理を実施するための国際規格のマネジメントシステムです。

HACCPとは?

HACCPとは「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の頭文字の略で、通称ハサップと呼ばれています。原材料の受け入れから製品までの各工程における様々な危害要因を分析し、その危害の防止や低減するために特に重要な工程を管理・監視し、安全性を確保する衛生管理手法です。2021年6月にHACCP制度化が全面施行されました。これに基づいて、管理・監視することで、品質や安全性が向上するだけでなく、明確な基準のもと衛生管理できるため、問題が発生した場合に、迅速な原因究明やリスクの低減が可能になります。

HACCP

クリーンガスサポートとは?

クリーンガスサポートは、圧縮空気の露点、油分、パーティクル、菌を測定し、報告書を作成するサポートです。その測定結果に基づいて、HACCPコーディネータが空気圧回路のアドバイスも行っています。
今回、食品衛生法や国際規格の改正で、今まで管理対象となっていなかった食品に直接的、間接的に接触するガス類(圧縮空気など)についても、ホコリ、水、油、菌を管理する旨の記載が追加されました。直接的、間接的に接触するガス類とはどういうものがあるでしょうか。酸化防止用に窒素ガスを 充填したり、搬送や異物除去、選別のためのエアブローを使用したりとたくさんあります。改正後、使用するガスの清浄度測定や数値管理などが必要となっていますが、測定方法や規格値などは具体的に記載されておりません。圧縮空気を使用する際には、使用する機器や製品(食品・医薬品など)にあわせた清浄等級が求められるため、CKDは独自の方法だけでなく、JIS B 8392「圧縮空気―第1部:汚染物質及び清浄等級」で規定されている汚染物質測定方法や汚染物質の濃度を目安として測定を行っています。また、この結果をもとに、エアの品質改善のための機器の提案も行っています。エア機器商品の提案から品質管理まで一貫したワンストップ対応が可能です。

クリーンガスサポート

まとめ

今後の食品業界では圧縮空気の管理がこれまで以上に大切となります。食品製造工程で最も注意していることは菌の有無ですが、各工程で 使用される圧縮空気の菌の有無を認識していないお客様もいらっしゃいます。CKDは食品製造工程用の機器開発だけでなく、ガス類の管理までご相談いただける体制を整えております。
また、このクリーンガスサポートは食品業界のお客さまだけのサポートではございません。クリーンガスを必要とするお客さまや、レーザー加工などの油分を嫌う工程、ドレンが多くてお困りの お客さまにもお役に立てるサポートです。まずはエアの状態を知るために是非クリーンガスサポートをご活用ください。