ワークの形にあわせて「倣う」

止める

私たちは、モータやシリンダなどの駆動源で、ものの移動や位置決めに取り組んでまいりました。最近では、より速く、より正確に動きを制御する技術「モーションコントロール」がますます高度化し手軽にその技術を活用できるようになりました。

その一方で、ものを止めておくことに関しては、意外にも注目されていないのではないでしょうか?ものを止めておく=動かないように固定するとは…?
建物では、アンカーを打つ、機械ではノックピンを打つなど、外部の力に動かされずしっかり位置を止めておくことは重要な役回りの1つです。ところが、モーションコントロールでは動きを止めえる位置がバラバラで、都度固定することが難しいと思っていませんか?また、強力な固定の作業も難しいし、停電時などの安全対策や消費電力量も気になるところです。しかしこの「止める」ことが手軽にできれば、作業性や効率がアップするのではないでしょうか?

この「止める」を実現するのが「ロックユニットUBシリーズ」です。

ロックユニットUBシリーズとは?

UBシリーズは、「グォードローラー」という特殊形状の転がり部品で、ガイドシャフトを任意の位置で保持する機構です。シャフトとアウターリングによって形成されたくさび形の空間にグォードローラーが転がり込むことによりロックします。


ガタがないため、外力があっても精度の高い位置決めを持続できます。さらに、メカニカルなロックのため止まっているときは、エネルギーを消費しません。急な停電時でも落下することなくロック状態を保持できます。
止めたい方向は強力にロックし、その逆方向はフリーになるため垂直方向でこの機能を生かせばパフォーマンスの幅が広がります。

倣う

この機能を使って、倣い治具を作ることができます。
多品種少量生産の現場では、扱うワークごとに治具を用意することが必要ですが、治具の手配、交換の手間などが負担となります。垂直方向でUBシリーズを使用することで、ワークがロッド先端に接触した位置を保持し、倣い治具を作ることができます。ワークの形状に倣うことでワークの形状にあった治具ができ、治具を交換することなく様々なワークを1つの治具で兼用できます。設備コストやメンテナンス工数の大幅な削減に貢献いたします。


▲ワークをシャフトに押しつけるだけでワークの形状に倣う


▲ワークをシャフトに乗せることによりワークの形状に倣う