真空圧力比例制御システム

急成長を遂げる半導体産業で
製造プロセスの微細化に貢献

THEME

最先端技術産業のさらなる発展をめざして

半導体産業では製造プロセスの微細化が年々進んでいます。それに伴い、製造装置や部品に対する精度の要求レベルも飛躍的に上昇。妥協のないお客様のニーズこそ成長のチャンスとCKDは捉え、日々検証と改良を繰り返しながら、より高精度かつ高性能な機器商品の開発に取り組んでいます。

台湾喜開理股份有限公司 Tech Center 張 健禮

MISSION

半導体の微細化に向け、性能に対する要求レベルが上昇

あらゆる産業の中で、もっとも顕著なテクノロジーの進化を遂げているのが半導体産業です。先端半導体を搭載したスマートフォンをはじめとするデジタルデバイスや高速無線通信技術は、その最たる例といえます。今やコンピュータや電波を使用するものはすべて半導体に依存しており、私たちの生活は20年前とは比較にならないほど便利かつ快適になりました。今後も市場の成長が見込まれる中、自動運転、人工知能、メタバースなど、半導体が創るより豊かな未来に期待が寄せられています。
そんな半導体の製造プロセスにおいて、対象物に薄い膜を形成する成膜工程を担う装置の主要機器として搭載されているのがCKDの真空圧力比例制御システム「VEC」です。ウェーハと呼ばれる半導体物質の結晶でできた円形の薄い板が格納されたチャンバー内の圧力を精密にコントロールすることで、半導体製造のプロセス条件をクリアするとともに、高い生産性を実現します。

同時に、進化を続ける半導体産業では製造プロセスの微細化が年々進んでいます。微細化とは、半導体デバイスをより小さく作ることを意味します。これにより高速化・省電力化・低コスト化の実現が可能になりますが、微細化を追求するほど高精度な装置・部品が必要とされ、VECに求められる性能の要求レベルも飛躍的に上昇します。例えば、去年までは要求を満たしていた性能が一転、業界の進化により早急な改善を求められることも。また、時にはエンドユーザーである半導体メーカー様から直接ご相談を受けるケースもあります。常に変化し続けるお客様ニーズへの対応として装置メーカー様などとの連携も欠かせません。

APPROACH

1年かけ開発当時から急激に上昇した要求精度をクリア

今も強く印象に残っているのは、2017年の新プロセス導入時の対応です。VEC開発当時から急激に上昇した要求精度に対して現設計での必達が求められ、当初はオーバーホールで対応していたものの根本的な解決には至っていませんでした。そこで状況を打開するためにエンジニアと協力し、検証を繰り返しながら1年かけて要求精度を満たすファクターを解明。各ファブの責任者の説得にあたり機器改造の了承を得たことで無事に問題を解決し、お客様からの信頼を勝ち得ることができました。
改めて思うのは、トラブルが発生した時こそお客様との信頼関係を築き上げるチャンスだということです。微細化を牽引する半導体メーカー様や装置メーカー様に妥協の二文字はありません。要求に応えるためには、CKDの営業・エンジニア・品質保証部やメンテナンス委託業者をはじめ、社内外の関係者とともにお客様にとって何が最良かを考え、時にはお客様と粘り強く話し合いをする姿勢が必要です。私自身も世界最先端の半導体メーカー様を担当する台湾喜開理股份有限公司のセールスエンジニアとして、お客様のニーズを汲み取り、各関係者を巻き込みながら一丸となって未知の課題に前向きに取り組んでいけるように心掛けています。

製品組み立て

真空圧力比例制御システム「VEC」

幸いにも、今では新たな課題が発生する度にお客様から真っ先に連絡をいただける関係を築くことができています。毎回緊張の連続ですが、最先端をいく半導体産業を現場の最前線で支えることはセールスエンジニアの醍醐味でもあります。

VISION

最先端プロセスに通用するメンテナンス品質を追求

VECはもともと個別に採用されていた複数の機器を1つに集約したALL IN ONE商品かつONLY ONE商品です。1996年の発売開始以来、改良を続けながら世界中の半導体製造に貢献してきました。
一方で、改良を重ねながらもあくまで機械のため、長期間稼動によるトラブル発生を避けることはできません。そのため、定期的にメンテナンスを行い、できるだけ長く安定稼働させることでトラブルによる生産ライン停止を極力抑えることが重要であり、その考えを前提にCKDは台湾でのメンテナンス事業も展開しています。
2007年にスタートしたメンテナンス事業では、現地の協力企業と提携し、日本と同じ設備・作業品質を安定的に提供できる体制を整えています。事業立ち上げからひとつずつ着実に評価を積み重ね、現在では数多くの機器のメンテナンスを任せていただけるほど事業としても成長し、お客様の安定稼働に貢献しています。

もちろん現状に満足せず、今後も継続して最先端プロセスに通用するメンテナンス品質を追求していきます。 その一環として、台湾での迅速な課題解決を図るべく、2021年にはVEC専門のエンジニアが駐在する台湾喜開理股份有限公司 Tech Centerを開設しました。
これからも微細化を中心にお客様の進化・変化は続いていきます。どれだけ追求しても終わりはありません。最先端ニーズを的確にキャッチし商品にフィードバックできるように、今後もお客様と密にコミュニケーションをとりながら信頼関係を築いていきたいと考えています。

© 2023 CKD Corporation.