エコスクラップ®技術


THEME
私たちの生活に欠かせないお薬を包むPTPシート。その製造工程では、「スクラップ」と呼ばれるアルミを含まないプラスチック廃材だけで、国内全体で年間1,300トンも発生しています。医薬品包装では品質と安定供給が最優先されるため、スクラップは包装品質維持のためには避けられない廃棄物と考えられてきました。一方で、地球環境への配慮が強く求められるようになり、廃棄物削減は避けて通れない課題になりました。私たちはこうした背景のもと、品質を守りながら環境負荷を低減する次世代のPTPシートの開発に挑戦しました。その取り組みの中で形になっていった技術が、後の「エコスクラップ®技術」です。

MISSION
今回の技術開発で私たちが大切にしたのは、環境にやさしいだけで終わらせず、現場で本当に使える技術にすることでした。開発に関しては、チーム内でも慎重な意見が出ることがありましたが、品質や安定した運転を最優先に考える姿勢は一貫して維持しました。そのため、単に技術的に可能かどうかではなく、実際の製造工程で無理なく使えるか、長時間の運転でも問題が起きないかといった現場目線を常に意識して開発を進めました。環境対応は重要ですが、現場に負担をかける形では続きません。誰もが納得し、安心して使える技術として実用化すること。それが技術開発に込めた私たちのミッションでした。

APPROACH
社内では長年、包装品質を保ちつつ、環境へ貢献する事を目指し、廃棄物削減の構想について継続的な検討が行われてきました。すぐに形にできる技術ではありませんでしたが、「必ず実現させる」という強い想いのもと、課題や方向性についての検証が積み重ねられてきました。その中で大きな課題の一つとなったのが、三角スクラップ(左写真)を回収するための技術開発です。従来とは全く異なる形状の三角スクラップの回収は従来技術の延長線での実現は難しく、新たな挑戦となりました。そこで発想を転換し、別の機械で培った構造や技術を融合させ、それまでの経験や視点をさらに探究し、三角スクラップ回収に適した構造を検討していきました。この考え方はアイデア検討の段階で技術内でも共有され、実現可能な方向性として採用されました。その後、試作開発・検証を重ねる中で、三角スクラップを漏れなく回収できる構造が作り上げられていきました。


従来(左)とは全く異なる形状の三角スクラップ

三角スクラップを漏れなく回収できる構造
同時に、フィルムの搬送や加熱方式などの他の技術についても改良を進めました。個々の技術を一つずつ確認し、実際の機械で組み合わせて検証し、結果を整理する。この地道な積み重ねによって、工程全体として安定する形が見えてきました。検証にはお客様にも立ち会っていただき、不安点を共有しながら確認を進め、実用化への道を歩んでいきました。このように長年の想いを一つひとつ積み上げて形にしていくことで、安定稼働しながら包装工程で発生するスクラップを従来比で70%以上も削減する技術を確立し、「エコスクラップ®技術」という名称で実用化に成功しました!国内全体に導入された場合、年間で910トン以上のスクラップ削減、CO₂排出量では年間約4,100トンの削減が見込まれています。エコスクラップ®技術は、その独自性と環境貢献性の両面から高い評価を受け、「2025日本パッケージングコンテスト」で包装技術賞の[適正包装賞]を、「2026愛知環境賞」で[優秀賞]を受賞しました。
VISION
私たちが開発したエコスクラップ®技術は、長年当たり前とされてきたPTPシートの常識を見直し、Purposeの実現につながる環境負荷低減という明確な目的のもと、想いを同じくするお客様と共に形にしてきた取り組みです。この経験を通じて、薬品包装機械の国内リーディングカンパニーとして、包装の役割を“使い捨て”から“循環”へ転換する取り組みを、率先して進めていく責任があると私たちは考えるようになりました。限りある資源を守ることは地球環境への配慮にとどまらず、数十年、数百年先を見据えた社会貢献として持続可能な社会を次の世代へつないでいくための重要な使命です。その実現には、技術の力だけでなく、お客様やパートナーとの共創が欠かせません。エコスクラップ®技術は設備に実装され、現場で使われてこそ、その真価が発揮されて社会に貢献することができます。これからも志を同じくする仲間との連携を広げながら、社会に確かな価値を届ける取り組みを進めていきます。

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