自動機械装置

社会課題に挑む“技術の進化”を支える

THEME

時代の変化に反応し、技術革新へ向かう開発環境を

持続可能な社会の実現に向けて、環境負荷が低く、安全かつ生産性の高い自動機械装置や検査システムが求められています。そして、お客様の関心・要望は、使用する化学物質や廃棄物の量など、商品の製造過程にも向けられています。私たちは設計の検討段階から製造プロセス全体の持続可能性を追究できるよう、これまで以上に開発環境の整備と改善に注力しています。

MISSION

環境負荷低減や包装能力の向上をはじめ、要求レベルが変化

CKDの自動機械部門では、創業以来80年にわたり培った自動化技術を基盤に「薬品包装機」「食品包装機」「電池用巻回機」「はんだ印刷検査機」「検査システム」などを手掛けており、これらの商品は多岐にわたる産業分野で採用されています。近年はSDGsの観点から、環境にやさしい包材への対応や、これまでにない包装形態の開発など、当社の自動機械装置や検査システムに対する要求レベルも変化しています。

錠剤やカプセルなどの医薬品を包装するPTP包装機は、日本国内でトップシェアを堅守しているCKDを代表する自動機械装置です。2022年度は、植物由来の「バイオマスプラスチック」を用いたPTP包装をアステラス製薬株式会社、三菱ケミカルグループと共に実用化し、CO2排出量を従来比で約40~60%削減。業界の垣根を越えた開発を推進し、商品化に至った取り組みが評価され、日本オープンイノベーション大賞「環境大臣賞」を受賞しました。中国市場向けには、1分間に6,000錠包装可能な高能力機「FBP-600W」を発売し、1分間に3,000錠包装可能な中能力機「FBP-300W」と共に、ニーズにマッチした包装能力をラインアップしました。このほか、生産性を落とさずに包材の使用量を減らし、スクラップ廃棄量の最少化を図るなど、多様なご要望にお応えするべく商品の開発を推進しています。

APPROACH

要求に応えるための開発環境づくり

例えば医薬品業界で重要視されているデータインテグリティへの対応や、商品に使用される環境規制物質の一元管理を行うシステム構築など、品質や安全性を担保するためのデータ活用をはじめ、CKDではお客様のニーズと社会課題に応えるための開発環境の整備・改善に取り組んでいます。大きな動きとしては、2022年度に自動機械事業全体の業務フローが見直されました。生産技術や調達、製造など自動機械事業の各業務を熟知した社員が膨大な業務を一つずつ洗い出し、それぞれのムリ・ムダを検証しながら、業務が円滑に流れるように再計画されたものです。私たちはこのフローの周知・教育を行い、実際の運用の中でPDCAを回しながら定着させていきます。

開発体制を整えることも重要です。営業・技術部門が合同で行う会議を主催し、将来の市場の変化を予測。求められる機能から商品やサービスを想定する開発ロードマップは、単にプロジェクトの進捗確認を行うためだけでなく、全員の目線を合わせるツールとして活用しています。手掛けている要素技術の開発がお客様の価値にどのようにつながるのか、価値ある商品の創出に向けた活動であることを全員が認識することが重要だと考えています。

お客様の求める品質・コスト・納期を実現させる支援としては、3Dモデルを使ったCAE解析の活用を促進しています。従来の性能を超える装置の開発など、振動やスピード、構造の変更といったいくつもの課題を克服する必要がある場合は、CAE解析を用いた高度なシミュレーションを行うことで設計プロセスの効率化を図ることができます。手戻り防止はもちろん、要点を絞った構造検討によって部材の廃棄ロスを減らせるなど、開発コストの削減にも大きく貢献するため、多くの技術者が有効に活用できるようサポートを行っています。

CAE解析

解析結果の事例:フィルム巻き付けシュミレーション

こうした改革の一方で、自動機械部門では技術者が必要な技能を必要なタイミングで習得できるよう、独自の階層別研修プログラムを設けています。その年の重点テーマに沿ってカリキュラムを見直し、中堅技術者が教材を作成し、ベテラン技術者が講師を務めます。若手は「教わる」、中堅以上は「教える」ことを通じて、全体のスキルを底上げすると同時に、CKDが培ってきた自動化技術の伝承にも注力しています。

VISION

変化にこそ成長のチャンス

CKDでは、お客様に価値のある商品をお届けすること大切にしており、お客様のニーズを知ることに成長のチャンスがあると考えています。多くの技術革新を追い風に、また新たな顧客提案につなげられるよう、技術・製造・営業など各部門の橋渡しを担いながら、連携を強化し、お客様から更なる信頼を獲得することで事業拡大につなげていきます。
単にツールやデータを整備するだけでは不十分で、使いこなしてこそ意味があります。そのための技術者教育や、技術者としての経験・視点を生かしたサポートをこれまで以上に充実させていくつもりです。

© 2023 CKD Corporation.