無線通信ユニット

信頼できる通信技術を取り込み、いち早くお客様のもとへ

THEME

Fact Report 〉無線通信で生産現場をアップデート

生産設備の高効率化とあわせて、働く人や地球環境への負荷を低減させる取り組みが重要です。近年、設備で使用される多くの機器は、産業用ネットワークを介してつながることで非常に効率よく仕事ができるようになりました。一方で、機器に繋げる接続線が設備内に張り巡らされ、物理的なスペースの確保やメンテナンスの難しさといった課題が増えたことから、通信の無線化を求める声が一層高まっています。

MISSION

生産性向上と現場改善を同時に提案

私たちは日々進化するさまざまなネットワーク技術を探究し、商品に取込んでいます。機器はネットワークに繋がることで、お互いの状態を信号で把握して連携の取れた動作を行います。近年ではそうした情報をやり取りできるようになり、更に分析し、活用することで生産性の向上に役立てられるようになりました。しかしその一方で信号を取るための接続線が設備の中に貼り巡らされ、物理的な作業負担の方が機器の価格より高くなってしまうと言われるほど、現場で働く人に負担をかけていました。通信の無線化を求める声が高まるものの、工場内のあちこちで利用されている電波同士が干渉すれば通信が不安定になり「生産に関わるトラブル」に発展しかねないため、制御用途での無線通信は難しいとされていたのです。そこで私たちは「無線通信の信頼性確保」を第一に置いたうえで、お客様にとって制限になる要因を極力排除した「使いやすい規格」を探し出すことから、開発に着手しました。

APPROACH

信頼できる実用的な商品を

2018年、私たちは海外企業が新たな産業用無線通信規格を公開するという情報を入手し、いち早く協力を得て、要素技術と評価技術を確立させることに成功しました。この「産業用ネットワークIO-Link Wireless」は他の無線機器で使用している周波数を回避し、1秒間に200回の早さで安定して装置を動かすことが可能です。また世界的に仕様が公開されているオープンネットワークのため、どのメーカーでも参画できる点もCKDの思想に合っていました。

IO-Link Wireless システム構成

設置状態

そして、無線通信の利点を活かせばこれまで断線リスクの高かった場所にも用途を広げられると考えました。ロボットなど素早い回転動作を伴う装置に直接搭載することを想定し、小さく軽い「名刺サイズ」の筐体をコンセプトに、取付け姿勢が変わっても通信が乱れないよう基盤設計を工夫しました。実際に導入された現場からは「シリンダスイッチの導入、交換作業が大幅に改善された」「通信の安定性も高く、今後設備を展開していきたい」など嬉しい声を聴くことができました。また導入前のお客さまからは、コンパクトな形状と接続線の削減効果から、ぜひ自社工場でも使いたいと多くの期待をいただいています。

VISION

革新的な技術への探究と共創

CKDでは今まで多くの産業用ネットワークに対応してきましたが、一般的な監視用途ではなく、直接装置の動作にかかわる制御用途として使う無線通信機器の開発は初めてでした。従来の測定器では無線信号を捉えることもできないところからスタートして、先輩や社外の有識者を訪ねて学習し、実際に作っては試験を繰り返し、時には水中で本当に電波が届かないのか、機器を水の中に沈めたりもしました。この経験を通じて、新たな技術を取り入れる際には、個人や一つの企業だけでは困難だと気付きました。日本だけではなく世界中によいパートナーを作り広げていくことで、革新的な技術の探求と共創を続け、お客様の心を動かせる商品をお届けします。

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